ちょっと整理。

最近、ちょっと話題になっている海賊版サイトのブロッキング問題。

NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ、NTTぷららの3社が
ブロッキングを準備が出来次第実施するとのこと。
それを受けて、ちふれ(地婦連)が「訴訟も辞さず!」と声明を出したり、
とある弁護士さんが訴訟を起こしたり、ざわざわしてきました。

ネット上では、『DNSによるブロッキングなら現状でも違法でない』とか、
『漫画村を訴えなかったのにNTT3社を訴える弁護士は売名目的だ』という意見もある。

僕も含めて、その道の専門でない人は、問題がどこにあるのかが良く分からない。

ちょっと調べてみて、僕なりの解釈をメモ代わりに日記にしておこうと思う。
すごく大雑把に書くので、微妙に間違っているかも。
そして、現状の理解で違うとこもあるかもなので、
これからも、この話題をウォッチしておかないとな。

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DNSブロッキングは通信の秘密を犯さないか?

そもそもNTT3社が具体的にどうやってブロッキングを行うのか、
未だにちょっと分からないのだけど、現時点で有力視されているみたいなのが
DNSブロッキングのようだ。



インターネットでは利用者の端末から目的のサイトを見る場合、
プロバイダー(インターネット接続業者)を通してインターネットに接続する。

プロバイダーは、利用者からデータと宛先(URL)を貰い、
宛先はDNSという辞書を使って目的のサイトのIPアドレスに変換、
そのIPアドレスにデータを送信する。

DNSブロッキングは、DNSに登録された悪質サイトのIPアドレスを別のものに書き換え、
別のサイトにデータを送るか破棄させることで悪質サイトに繋がらないようにする方法。

『DNSによるブロッキングなら現状でも違法でない』と考える人は、
『DNSのアドレスを書き換えて悪質サイトに接続させないだけなら、
現状の通信で使っている宛先情報しか使わず、悪質サイトへの通信を遮断出来るので、
新たな立法も要らないし、ましてや通信の中身(データ)を見ている訳でもないのだから
通信の秘密も侵してないし、違法でもない』という理屈だと思う。

しかし、調べてみると現状の通信、通信パケットのIPアドレスを見ることも、
実は通信の秘密を侵しているが、それをしないとインターネット通信が実現できないので、
「宛先を見て目的のサイトにデータを送る」ことのみ正当行為として認められているようだ。
となると、その正当行為を逸脱し、正常な通信を行わないのは(DNSの書き換え)、
当然、違法行為となる。
時々、通信業者のことを「土管」と言う事があるけど、
来たものをそのまま通す、通信の中身を見ないということが、
「土管」と似ているからの呼称なのでしょう。
土管は土管以上のことをやってはいけない。
土管に徹することが正当行為だから。

以上の理由によって、DNSブロッキングであっても違法な手段となる。
もし今回、正当行為を逸脱した行為であるDNSブロッキングを認めてしまうと、
今後のネット利用は大きな影響を受ける。
もし、政府に都合の悪いことを掲載しているサイトがあったら、
政府がプロバイダに命じてDNSブロッキングをさせ、
国民からその情報を見る機会を奪う世界が待っている。
どこかの国と一緒だ。

そうならないように。
全ての人々が自由にインターネットを使えるように、
弁護士さんは訴訟を起こしたのだと思う。

漫画村がのさばることで、被害を被るのは漫画家や出版社で、
金額や規模は確かに大きい。漫画村が悪質なのも間違いない。

しかし、インターネットの中立性が侵されるDNSブロッキングは、
インターネットを使うすべての人に対して害があると言っていい。
憲法で保障された通信の秘密は、とても大切。
漫画村ごときで、テキトーに扱ってはいけない問題だ。




てな感じがアバウトだけど、今の理解。
合ってるかな。難しい話は苦手なのよね。
気になってる話題ではあるのだけれど。

これからどうなっていってしまうんだろうなぁ。
落ち着いて、きちんと議論したうえで対応しないと、
世界の笑いものになっちゃう気がする。