今月発売のWEDGEという雑誌に、こんな見出しがあった。

『トラブル続発 コンピュータ化が製造業を蝕ばむ』

コンピュータ化、インターネット化すると、
とても利便性が高まりそうな印象だが、
実際にやろうとすると、コンピュータ化が馴染まないものがある。

例えば、先日運用が中止決定したパスポートの発行申請。
厳密な本人確認が必要なものは、インターネットを利用しようとしても、
なりすましを防ぐ仕組みが簡単にはいかず、馴染まない。
せっかくの電子申請なのに、印鑑証明とかを役所に取りに行ってたんだそうな。
しかも、根本的に必須アイテムになる住基カード&電子証明書の取得に、
役所に行かないといけない。それがすでに面倒。
しかも、電子証明書なんて、他に使う用途も無さそう。
メリットが全然なーい。

同じ理由で、選挙も馴染まない。
『一人一票』は住基カードの電子証明書でどうにかできても、
その投票が本人によるものか、その確認手段の確立と、
電子証明書の充分な普及がないならNGだろう。
今でも本人確認は甘い気がするが、会場に立ち会い人がいるおかげで、
多少、不正は抑えられていると思う。
(人のハガキを持って、投票しに来るケースはあまり無いだろう。)

はたまた、精密な加工をする製品も、あてはまる。
車のエンジン関係、ボディも品質を重視する場合、最終的には人の手が入る。
人の感覚って言うのが、いかに敏感かってことだ。
以前、ホンダのインテグラタイプRというクルマで、
エンジンを専門の職人が精密に加工、組み立てることで、
高出力で、反応の良いエンジンが出来るって話があったな。
後々に大量生産に対応すべく、職人を増やした結果、
精度が落ちて、加工精度の高い初期モデルが人気になってた。

結局、なんでもコンピュータ化しなくても、充分だと思う。
記録の正確さを重視するあまり、利用者の手間の増加とかを無視したら、
パスポート発行申請の二の舞になる。
『便利そう』ってイメージに、裏付けをしっかり取らずに
莫大なお金を投資するなんて、馬鹿げている。
特に公共事業の場合は、その判定は慎重にやってほしい。
コンピュータは計算処理は素早いが、融通が利かない。
高度なコトをやらせると、高度な知識を持ったメンテナンス技術者が必要だ。
キチンと運用後の体制を考えて、余裕を持った運用が出来るようにならないと、
コンピュータ化による障害は、今後も続くだろう。