昔に比べて、すごく世の中便利になった。
すごい技術の進歩で、宇宙もどんどん近くなっているようだ。
高品質なモノが低価格で手に入る。
夜でもスーパーが開いていて、何でも買うことが出来る。
暇な時間をつぶせるアミューズメントはたくさんあり、
さまざまな情報も、世界中から仕入れることも出来る。

しかし、それで人間は豊かになったのだろうか?
みんな、幸せに暮らしているのだろうか?

昔のほうが不便もあったけど、もっと人間の気持ちが豊かだったのかも。
人々は今みたいに知ってる人以外には無関心なんてことなくて、
説教好きなオヤジが近所にいて。
警察は悪を取り締まり、市民を守る。
先生は厳しいけど、ちゃんと生徒を見てくれていて。
夜は暗いから寝る。
そんな時代のほうが、今より毎日が幸せに感じられたかも知れない。

自分の事ばかり考えてる人、ルールを破ることに強さを感じる勘違いな人、
最近、そういう人が増えている気がする。
電車の車内に缶が転がっていても、誰も拾わない。
コンクリートの壁にはスプレーで落書き。
他人のモノを力ずくで奪う卑劣な事件。
増え続ける国の借金。失業率の上昇。
人の痛みに鈍感な子供達も増えているようだ。

人類の技術が向上することに「進歩」という言葉も使うが、
果たして、本当に人類は進歩していっているのだろうか。
技術ばかりが向上しても、人が幸せに生きていける世の中でないなら、
それは、「進歩」とはいえない。
破滅への道を、一歩、一歩、進んでいくことは、進歩ではないと思う。
この流れを止められる人がいるんだろうか。
流れを変えられる技術は、見つかるのだろうか。